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【Career Compass】理系から外資コンサル、そしてベンチャーキャピタルへ~八尾氏インタビュー~

今回は、Angel Bridge株式会社の八尾氏のインタビューをお届けします。工学部システム創成学科Cコースから大学院に進学し、外資コンサルを経て、ベンチャーキャピタルでいくつもの企業の支援等を行っている八尾氏。そんな八尾氏の進振り・院進・就活・転職などでの、物差しや考え方を探っていきます。先人のキャリアについて知ることは、自分自身のキャリアを考えるうえで、視野を広げる良い機会になるのではないでしょうか?



UTmap Times編集部

まず進振りについてですが、なぜシス創を選んだのですか?


八尾氏

中高では数学が好きだったんですが、大学数学は社会に役に立つイメージがつかなかったのであまり好きではなくなっちゃいました。それで何ができるかなと思った時に、社会と数学の橋渡しのようなことがしたいな、それって統計なのかなと思うようになって。なんとなく自分には統計が向いているのかなと思ったんですね。一方で、特定の分野に興味を持てなかったというのもあって、消去法的な側面もありつつ幅広く学べるかなと思ってシス創C(工学部システム創成学科Cコース)を選びました。


UTmap Times編集部

実際に進んでみて良かったことと悪かったことを教えてください。


八尾氏

良かったこととしては、時間の融通が利くということですかね。理系にしては珍しく実験もないし、時間の拘束がすごく少なかったです。研究室に行ってからも週1回の定例ミーティングがマストくらいで、それ以外はすごく自由でした。その分、自分の好きなことや興味のあることに時間を十分取れました。一方で悪かったこととしては、専門性が薄いということで、徹夜で研究とか、学会に出て、とかがなかったんですね。学問の延長での就職や起業のような選択肢がなかったのはもったいなかったです。


UTmap Times編集部

理系からコンサルに進んでらっしゃると思うのですが、理系で良かったことはありますか?

八尾氏

1つは論理的思考力が身につけられたことですかね。研究でこういう証拠を揃えたからこう言えます、といったロジックの組み立てはコンサルの仕事上でも共通する部分があり、ポジティブに働いたと思っています。あとは数字のセンスについてもそうで、数字が並んでいるものを見てぱっと見で違和感を持てることは結構大事で、理系の勘は活きたと思います。そういう点で理系からコンサルって色々なメリットがあると思います。



UTmap Times編集部

学んだ内容を直接生かしているというよりは、学部で学んだことが間接的に役立っているということですね。その後は院進なさったと思うんですが、なぜその進路を選んだのですか?

八尾氏

実は最初は学部卒で就職しようと思っていました。日系企業のインターンにも参加していたんですが、海外ヒストリックカーラリープロジェクトという工学部横断プログラムに参加しており、海外にいたため交渉しましたが面接が受けられませんでした。今みたいにzoom面接が当たり前だったら人生違っていたと思います。大学院進学は、正直2年間のモラトリアム期間をもらえる点でも良かったですし、理系の大半は院進するので大学院に行くことに特に抵抗はありませんでした。どこの大学院に行くかという選択は、学部時代の研究室があり、その後社会で活躍しやすいと聞いていたので、技術経営戦略学専攻に進みました。


UTmap Times編集部

では、学部の段階ではまだ将来何をやりたいなどはあまり決まっていなかったということですか?

八尾氏

全然決まっていなかったです。可能性を絞るのが怖かったというのはあります。振り返ると進振り、院進、就職と常に可能性を狭めない選択を取ってきたのかなと思います。



UTmap Times編集部

すごく共感できます。それでは、大学院の特徴や良かったことはなんですか?

八尾氏

学部の頃から継続して自由な時間を取れたというのと、俯瞰経営塾という授業がすごく面白くかったいうのが良かったです。俯瞰経営塾は、数人のチームを作って、毎週出されるテーマに合わせてチームごとにプレゼンするという授業なのですが、徹夜で資料を作ったり熱い議論をしたりしたのがエキサイティングだし、とても成長できた場だったと思います。知識だけでなく、極限状態においていかにチームとして最大限のアウトプットを出すかという能力が訓練されたとてもユニークな経験でした。現在も自主ゼミとして開催されていて、そこでTA(ティーチング・アシスタント)をやっています。


UTmap Times編集部

とても面白そうですね!それでは、博士課程に進まずに就職した理由を教えてください。

八尾氏

博士に行くということはアカデミアの道で食っていくということだと思っています。それはとても可能性が狭まるなと思ったのと、統計を選択した時と同じ理由で、社会との接点を持ち社会に還元するにはということで自分は有意義な人間になれると思ったので、迷いなく就職を選びました。


UTmap Times編集部

そして、それまでの経験の中でコンサルが面白いと思ってコンサルを受けたのですか?

八尾氏

俯瞰経営塾での経験や色々な先輩の話を聞く中で知識を身につけて、自分はコンサルが向いているんじゃないかと思うようになりました。就職活動での軸のような話をすると、日本の大企業に入っても保障にならない、個人で戦える力をつけたいという考え方だったというのがあります。若いうちから裁量が与えられて面白い仕事ができるうえに成長できるのは外資系だと判断して、まず外資系のコンサルに絞りました。自分が本当にどの業界にパッションがあるかわからない状態でもあったので、金融ではなく幅広い業種に携われる外資コンサルをメインに就職活動をしました。


UTmap Times編集部

なるほど。個人で力をつけるため、某外資コンサルを選ばれたのですね。その某外資コンサルでは具体的にどのようなことをされていたのですか?

八尾氏

普通は4,5年幅広く経験した後、特定の領域やファンクション(プロジェクトのタイプ)に絞っていきます。私は3年間しか在籍していなかったので色々なことをやりました。その中でもセールス&マーケティングというファンクションで、トップラインを伸ばすようなタイプのプロジェクトが多かったです。


UTmap Times編集部

それでは、入社前と入社後で、良い意味でも悪い意味でも違ったなと思ったことがあれば教えてください。

八尾氏

イメージよりも「日本っぽい」なというのはありました。入る前は、頭は良いけどロボットみたいな人が多いと予想していたんですが、実際はまともで人間味がある人が多かったです。悪い意味で違ったことはあまりないかな。思ったより激務ではないというのもポジティブな意味で裏切られた点で、午後7〜8時くらいに帰っている人が多かったし、プロジェクトが終わってしまえば比較的自由に休むことができました。1週間程度休みを取る人が多かったですが、中には1か月休んで世界一周してくるなんて言う人もいました。


UTmap Times編集部

とても参考になります。それでは、新卒でとりあえずコンサルを受けるという人は多いと思うのですが、それについてはどう思われますか?

八尾氏

私の入社した某外資系コンサルについて言うと、新卒で入るにはすごくいい会社だと思います。成長環境については、期待していた以上であるはずです。入社半年で大企業の部長さんクラスとのミーティングを設計するなど、すごいスピード感やプレッシャーの中で成長できる機会をたくさん与えてくれるのはいいところだし、仕組みとしても教育にお金や力がかけられているというのは実感しています。また非常に有名な会社なので、転職に際してもとても有利に働き、可能性が広がりました


UTmap Times編集部

有名な外資系コンサルにいたことで将来の可能性が広がったのですね。結果として、八尾様はベンチャーキャピタル(VC)という選択肢を選ばれたわけですが、他に考えられる選択肢などはありますか。

八尾氏

まずは起業ですね。その外資系コンサルで培ったネットワークや会社運営の知識や感覚を生かした起業がまず1つあると思います。また、ベンチャー企業に行く人も最近よくいます。ベンチャー企業は人数が少ない中でやるので色々できる人は重宝されますし、COOなどの主要ポジションにコンサル出身者を入れたいなどのニーズは結構あります。外資系企業の重要な地位や、海外企業の日本オフィスマネージャーのような話もありますし、新卒からはあまり取らないPEファンドやヘッジファンドへの道が開けます


UTmap Times編集部

全体としては成長もできるし、転職も様々な選択肢が取れるという点で、新卒で入るにはコンサル業界は非常に良いということですね。それでは、八尾様の今のキャリアであるAngel Bridgeについてお聞きしていきます。まず、なぜAngel Bridgeに入ろうと思われたのですか?

八尾氏

いくつか理由はありますが、1つは自分の仕事の結果まで責任を持ちたかったということです。コンサルのときの主な顧客である大企業は意思決定に時間がかかる一方で、個人としてプロジェクトに入るのは長くて半年程度なので結果まで見ることができず、とても寂しく感じました。そして、最後まで責任をもって見届けたいという想いがだんだん強くなりました。また、2つ目には100を110にするような仕事は経験できたので、0を1にしたり1を10にしたりする仕事をやりたいと思うようになったことが理由です。そこでベンチャー企業に興味を持ち始め、VCはいくつもののベンチャー企業を支援できるという点で個人が与えられるインパクトが1つのベンチャー企業に入るよりも大きいという観点で選びました。


UTmap Times編集部

なるほど。続いて、Angel Bridgeの特徴を伺ってもよろしいですか。

八尾氏

名前にある通り、エンジェル投資家の資金をお預かりして、比較的アーリーステージのベンチャー企業に投資を行い、サポートするという企業です。VCの中にはたくさんの企業を相手にしているのでお金を出して終わりというところも多いのですが、Angel Bridgeは数を絞って投資を行い、資金面以外の援助もかなり力を入れて行っています。


UTmap Times編集部

八尾さん個人では何をされているのですか?

八尾氏

大きく分けて4つあって、ソーシング(投資すべき会社を見つける)、投資の目利き、投資後のバリューアップ、エグジットのサポートなど、多岐に渡ってやらせてもらってます。


UTmap Times編集部

本当に投資の最初から最後まで全部なさっているのですね。東大生にもVCのようなキャリアを経験したいと思っている人は多いと思います。ところで、コンサルからVCという転職にはどのような親和性があるのか気になったので教えていただけますか?

八尾氏

コンサルから行くことのメリットとしては、やはりバリューアップというところです。基本的な課題解決の考え方は大企業だろうとベンチャー企業だろうと共通する部分があります。ベンチャー企業のバリューアップ支援をするなかで、まさにコンサルプロジェクトのように半ば常駐して課題解決を行う場面もあります。

UTmap Times編集部

八尾様のキャリアに関しては一通りお聞きできました。ありがとうございます。

最後に、今TAとして東大生を見ていらっしゃると思うのですが、東大生に向けてやっておいて欲しいことなどはありますか?

八尾氏

自分がやっておけば良かったと思うことは、1つはプログラミングです。自分で起業してみたいと思っても何も作れないのは歯痒いですし、投資するにあたっても何がすごい技術なのかの判断が難しくなってしまっていると思います。あとは、インターンですね。仕事に対するイメージを持たないとキャリアに対するイメージができないんですよね。スキルだけじゃなく自分のキャリアについて考えるためにも、中長期のものを経験して視野を広げるのが重要だと思います。もう1つが、起業ですね。会社に入っちゃうと簡単にできないのに対し、学生は時間もあるし、実際そんなにリスクもないわけじゃないですか。だから、もっと気軽に起業してみるのがいいと思います。


UTmap Times編集部

本日はお忙しい中お時間いただき、ありがとうございました!



 

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